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こんにちは。
LinkLink編集部の山口です!
森へ、山へ。の第1回は、
長野県木曽郡木祖村にある「水木沢天然林」です。

水木沢は、「平成の名水百選」にも選ばれた木曽川の源流一つであり、
このエリアには、樹齢2〜300年を超える巨木が90%以上を占める天然林が広がっていてます。
「森林と人々との共生林」でありながら、
動植物のための自然環境を大切に守る取り組みが長い間続けられている美しい森です。
そんな森の中を散策できるコースがいくつかあるということで、
9月上旬の風が気持ちいい秋晴れの日に、森林浴へ行ってきました!

まずは、水木沢天然林管理棟で名前を記帳。
管理棟のスタッフの方に、
「今日は、原始の森の展望台の景色がきれいに見れると思うよ!」
と教えてもらい、いざ出発!
安全のために熊よけの鈴も忘れずに・・・(道中、いい音が森に響いて癒されます。)

コースに入ってしばらく行くと、道を挟んで人工林と天然林が両方見られる場所に来ました。


こっちが林内唯一のヒノキの人工林で、

こっちが自然に育生した天然林。
見比べると天然林の方が針葉樹も広葉樹も見られて、より自然な森に感じます。

そこを過ぎると、あとは全て天然林です。
整備された遊歩道には、歩きやすいように木材が敷かれていたり、
木製チップが撒かれていて、とてもありがたかったです。

分岐点に来ました。
巨大ヒノキも気になりますが、スタッフのおじさんに教えてもらったとおり、まずは原始の森へ!
熊のご用心・・・ということで、鈴を絶えず鳴らして、進みます。

森のところどころで水が流れています。
豊かな森に育まれたきれな水。
前日に雨が降ったせいが、ザーッと結構な水量が流れる音が聞こえました。

森には、たくさんの樹種があり、代表的な木には説明が書かれたプレートが。
木曽谷の代表的な樹種である木曽ヒノキ、サワラ、ネズコ、ブナ、トチノキ、サワグルミなどや、
亜高山性のウラモミジ、コメツガなどいろいろな種類の針葉樹と広葉樹が混生している森の特徴が、
より詳しくわかります。

木曽五木とは、ヒノキ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコ・サワラのこと。
木曽の森林保護のため、伐採禁止となった木です。

今から300~400年前の江戸時代、
この地を治めていた尾張藩が築城や整備事業のために、山にあったたくさんの材を伐採しました。
そんな中で伐採を免れた木の種から、大きく育ったものが現在の水木沢天然林です。
なので、この森には樹齢300年前後のヒノキやサワラが特に多く生育しています。
どれも見上げる木々ばかりです。

中でも、樹齢約550年を超える直径2.5mの大サワラは圧巻です!

道のいたるところに熊除の鈴が・・・。
たまに、「この鈴を鳴らすのはあなた」と書かれたユーモア溢れる札も。
管理する人の、危険を注意しつつも笑いをくれる粋な計らいを感じます。

途中に、大木が倒れて橋のようになっているところも!
自然にできた橋です。
動物がわたるのでしょうか^^
コースには、レールなど軌道そのものはないけれど、昔は森林鉄道が通っていた部分もあるそうです。

歩き始めて2、30分でしょうか、ずいぶん登って来ました。
あとは山の尾根を少し歩いたら、展望台です!

光が見えますね。
頂上まで、あと一歩!

展望台につきました!
ここだけ景色がすこーんっと抜けてて、清々しい場所でした。
いくつかベンチがあったので、ここで少し休憩を・・・。
正面には、木曽駒ケ岳がはっきりと見えます。
空気がもっと澄んでいる時には、正面の中央アルプスの左奥に南アルプスも見えるようです。

10分ほど休憩して、
根っこが秘密基地のようなヒノキの巨木を横目に帰りは違うルートで下ります。

山には、実のついた植物がたくさんなっていました!

淡い色をした山のあじさい。

水をたくさん含んだ苔。
触るとしっとり、気持ちいい感触でした。

そして、たくさんの種類のキノコも!
赤や黒や黄色といったカラフルなキノコから、
茶色のおいしそうなキノコまで。
木曽の山の足元は、もうすっかり秋です。

大好きなキノコの写真を撮ることに夢中で、
だいぶ後れていたわたしを遠くで呼ぶ声が・・・
「おーちゃん、早く早く!」

急いで駆け下りていくと、
橋の下の小川には土色をした大きなカエルがもち良さそうに泳いでいました!

帰りに、別のコースの大ヒノキを見に寄り道を。
樹齢はわかりませんが、背はとても高く、根はとても太く、太い幹が数本にも別れ、ところどころに大きなコブがたくさんできていて・・・周辺の木に比べ、その佇まいはとても立派なものでした。
ここもどうやら撮影ポイントらしく、ベンチがあったので記念にパチリ。

約一時間半、森を堪能して帰路へ。
この森は自然体で生きる木や動植物と、それを守り続ける人たちの両方があってこそ、
こんなにきれいな光溢れる森になったのだと思いました。

道の途中で深呼吸をすると、清々しい空気が体を流れ、余計なものが吐き出されるようなデトックスした気持ちになりました。
マイナスイオン効果なのか、ほんの少しこの森にいるだけで気持ちがすっと穏やかになる。
そんな人の心に安らぎや癒しをくれる森です。

ちょうどこれからは、紅葉のシーズンが始まるようです。
朝晩寒くなったせいか、木の葉も少し色づき、落ち葉もたくさん落ちていました。
季節ごとに月ごとに表情を変えていく水木沢天然林、ぜひ行って見てください。

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