みつろうキャンドル
みつろうワックス
みつろうを使ったハンドクリーム
お店でもよく目にするようになったみつろうを使用した製品。
でも「みつろう」って何だろう?
はちみつとは違うのかな?
みつろうとは蜂の巣の中にあり、それぞれのはちみつを蓄える部屋の壁の部分の事です。
その部屋にはちみつが一杯になると蓋をしてまた新しい部屋を作ります。こうして増えてしまった部屋は次の年に養蜂をするのに邪魔になってしまう事から切り取られてしまうそうです。
今回は銀座松屋さんの屋上で養蜂をしているNPO法人銀座みつばちプロジェクトさんのみつろうキャンドル作りのワークショップに参加しました。
数年前から都会のど真ん中の銀座でミツバチを飼うというプロジェクトをしているそうです。こうしてみつろうを使ったワークショップをしたり、採取したはちみつを企業さんにお菓子にしてもらったりしているそうです。
蜂のお話をしてくれたのは、山形でみつろうキャンドルを作っているハチ蜜の森キャンドルの安藤竜二さんです。
安藤さん
みなさん、ハチを見ると反射的に刺すと思って逃げますね。
でも何もしないでも襲ってくるのでしょうか?
日本で良く見るハチは大きく三種類です。
スズメバチ
アシナガバチ
みつばち
これらのはちは基本的には巣の近くに行ったり、攻撃しない限りは刺しません。
「刺す」というのは危険を感じている表現です。
ハチを見るとすぐに危ないと思ってしまいがちですが、実はハチは人間が何もしなければどのハチも攻撃してこないのです。
さてみつばちの中には特別な種類のハチがいるのをご存知ですか?
そう、一つの巣に一匹しかいない女王バチです。
みつばちが1か月しか生存しないのに比べ、女王バチは3年も生存し、
そして一日に1000個もの卵を産むそうです。
みつばちはお花畑に行き蜜を吸ってきます。
ではみつばちは1か月の寿命の間でどれくらいの量のはちみつを集められるのでしょうか?
正解は小さじ1杯。
ほんの少ししか採取できないそうです。
お菓子に入れたり、パンケーキにかけたりしているはちみつは、はちが一生かけて集めたはちみつの量ということになります。
最近お店で見かけるようになった、それぞれの木や花の名前がついているはちみつ。
これだけたくさんの花が咲いている中でその花だけの蜜を吸うことができるのか?
きっとそのお花畑を作り、網をかけその中で養蜂をしているのだろう。
そう思っていました。
実はハチは一番初めに吸った花の蜜を一生吸い続ける性質があるとのことでした。
だからりんご園の中に置いた巣箱に住むはちはりんごの蜜しか吸わず、りんごのはちみつが出来上がるのです。
刺されると痛いというイメージしかなかったハチですが、知れば知るほど奥の深い世界です。
ではそのハチが住む巣。
よく家の軒下にぶら下がっているのを見ますね。
実はその巣ははちの種類によって違うそうです。
よく見かけるボール大の丸い巣。
その巣の周りは実は集めてきた木の皮でできています。
そのため火をつけるとお香のような香りがしました。
みつばちの巣に火をつけると蝋のようにぽたぽた溶けて落ちます。
昔の人はこれをヒントにろうそくを作ったのではないかと言われています。
こうしてミツバチの巣と巣の間に芯をいれるだけでみつろうキャンドルに早変わりです。
安藤さん
このみつろう、実は食べられるものなのです。
フランスで有名なカヌレというお菓子に、このみつろうが使われています。
間違って子供が口に入れても安心です。
今回作ったキャンドルはみつろう100パーセント。
ハンドクリームを作りたいとなったら、みつろうに油を混ぜれば出来上がり。
その油は好みにも寄ると思いますが、オリーブオイルなどのお料理に使うようなもので大丈夫です。
だからハンドクリームも間違って舐めても大丈夫。
本当に人間にやさしいものが出来上がります。
特にハンドクリームなど体に塗ったり、口に入る可能性のあるものはちゃんと安全なものを使いたいですよね。自分でも簡単に作れるみつろうを使ったものはとってもオススメです。
安藤さん
実はここ7~8年前からはちが少なくなってきているのです。
その原因はお米や野菜を作るときに使用する農薬です。
ハチは人間よりずっと体の小さい生き物。
その体に農薬が入るとすぐに死んでしまいます。
はちは本来植物の受粉を助ける役割をしてくれる生き物。
なくてはならないのですが、大量に使用されている農薬が原因でどんどん少なくなってしまっています。植物に虫がつかないように散布されているものもありますが、植物自体に吸わせて野菜から虫が嫌う毒性のものを出す種類もあるそうです。
ハチを見ていると、将来の人間を見ているようで怖いです。
虫が嫌うもの、虫を殺すほどの毒性のあるものを人間が口にして大丈夫なのでしょうか?
もちろん少量ならという声もあると思いますが、食べ続けていけば体内に溜まった毒は
やがて人間をもおかしくしてしまうことでしょう。
私の家族が養蜂をしているのは山形県の自然一杯の森の中。
そこで採れたはちみつは農薬の少ないものになります。
でもここ銀座松屋さんの屋上で採れたはちみつもまた農薬の少ないものです。
なぜかというと、都心には畑がなく同時に農薬の散布も少ないからです。
ちょっと不思議な話ですが、これが今の現実です。
みつろう、はちを通していろいろ知れたこちらのイベント。
自然界からの贈り物であるはちみつやみつろうをありがたく使わせていただき、素敵な時間を過ごしたいですね。
みつろうキャンドルを灯している時間は、僕にとっては森の中でのやすらぎの時間と同じような感覚です。
そうおっしゃっていた安藤さん。
疲れの溜まった週末。
早めに帰宅しておうちでゆっくりみつろうキャンドルを灯す時間を取ってみてはいかがでしょうか?