report

こんにちは!LinkLink編集部の山口です。
9/2(土)〜3(日)の一泊二日で、自然の中で食と暮らしを見つめ直す「デジタルデトックス」というイベントを行いました!

いつも持ち歩いているスマートフォンやパソコンを手放して、生活を見つめ直す「デジタルデトックス」。
今回初めての開催でしたが、農的な暮らしやオーガニック、エシカル消費などに関心がある2組の方たちにご参加いただきました。
ありがとうございました!

今回は、そのイベント模様をレポートします。
普段私たち編集部がいる里山での暮らしを、都内でバリバリ仕事をしている顔見知りでない2組の方たちに体験してもらうという初めての試み。
模索しながら始まったイベントでしたが、原村で農業や物作りをされている方々の力をお借りして、野菜を植えたり、収穫して調理したり、農家さんの話を聞いたりなど、「旅行」ではなく「暮らし」を体験してもらえる内容のプログラムとなりました。
「デジタルデトックス」に興味がある方はもちろん、「スマフォ依存」に陥っていたり、最近ちゃんと暮らせてないなぁと感じたり、生活や体の感覚をリセットしたいと思っている方など、多くのみなさんに読んでいただけると嬉しいです。

会場は、標高1150mの農的な暮らしができる自然素材でできた家

場所は、長野県原村にあるアトリエDEF 八ヶ岳営業所「循環の家 八ヶ岳」
私たちLinkLink編集部の本拠地があるところです。
標高1150mにあるこの場所からは、八ヶ岳の裾野に広がるのどかな農村が見渡せます。

暮らす場所を「小さな地球」と見立て、「循環」をテーマに環境を整えたアトリエDEFのモデルハウス。
家はいつか土に帰っていけるように自然素材で作り、生活に使う主なエネルギーは薪や太陽光などの自然エネルギーでまかない、使った水も浄化槽やバイオジオフィルターを通してキレイにし、畑やビオトーブなどで再利用するなど自然環境や植物や野菜、昆虫や魚など他の生命と共存する暮らしを提案しています。
そんな「循環の家」で二日間、火と土に近い暮らしを体験してもらいます。

いよいよ、「デジタルデトックス」スタート!

初日、会場に着いた方から順に、スマフォをお預かりしました。
みんなが揃ったところで、イベント開始のあいさつと、自己紹介、二日間のプログラムの内容を説明します。
そのあと、住宅地図や大まかな周辺地図を見ながら、二日間の食材をGETできるポイントを押さえ、ルートや距離感、かかる時間などを相談し、スケジュールの確認していきました。

■おおまかなルール
1 スマフォ・パソコンは使用不可
2 カメラ撮影禁止
3 食材・調味料の持ち込み禁止
4 時計はアナログ時計のみ
5 食事は自分たちで作る

最初のプログラムは、二日間自分たちが使う箸作り。
材料となる杉と檜の硬さや香りを確かめて、お好きな木をチョイスしてもらい、型にセットしてかんなをかけます。

削り終わったら、後はただひたすらに紙ヤスリをかけて、形や表面をキレイに整えます。
ヤスリがけが、こだわりと個性が出るところ。
自分が思う理想の形に仕上げてもらいました!

次は、かまどでご飯を作ります。
普段は直接火を燃やして、生活することがないので、まずは火の付け方から。
今日の夜ごはんと翌日の朝ごはんは、自分で調理をしなくてはいけないので、ここでしっかりとやり方と火加減なんかを覚えてもらいます!

ご飯が炊き上がったら、アトリエDEFのスタッフが作った野菜中心の賄いと一緒に、みんなで食事。
手を合わせて、いただきます!!
「同じ釜の飯を食う」とはこういうことですね 笑
食事中は、今後の料理の参考に調理法などを聞いたりなど、会話もはずみます。

午後からは、食材集めの自転車旅

最初のポイントの畑は、「循環の家」から標高200近く下がったところにあります。
行きはずっと下り坂なので、すぐ畑に到着しました。
まずは、モロッコインゲンや枝豆、ナスやトマトなどの野菜を収穫しました。

次に向かったのは、原村にある「胡桃庵」さん。
スモークサーモンやスモークチーズが有名で、豚まんもおいしいお店です!
お店の敷地はとても広く、ブルーベリー畑や馬小屋もあります。
とうもろこしを食べる馬を見ながら、オーナーの高橋さんが暮らしのことやお仕事のお話をしてくれました。

その後、高橋さん家の野菜畑へ。
たくさん作っているからと、作っている野菜をいろいろわけてくださいました!
ふたたび、野菜の収穫です。

普段都会じゃ見かけない、こんな大きなかぼちゃも育っていましたよ。
他には、ご近所からいただいた梨やすいかもおすそ分けいただきました!

飼っている鶏の卵と、普段スーパーでは絶対見かけない合鴨の卵も取らせてもらいました。
他には明日使うチーズやスモーク豚なんかも購入して、「胡桃庵」を後に。高橋さん、ご協力ありがとうございました!

再び自転車に乗って、高低差100mの坂をひたすら登り、原村でしか食べられない幻のとうもろこし『ピクニックコーン』を買いに、「篠原園芸」さんへ向かいました。
辺りにはたくさんのトンボが飛び回っていて、すっかり秋空となった八ヶ岳の景色を見ながら、ゆっくりと自転車を走らせました。

たくさんの食材をGETして、再び「循環の家」へ。
みなさん、本当にお疲れ様でした!

今回は3カ所巡りましたが、それだけで野菜がこんなにたくさん収穫できました!
ここからはスタッフと離れて、みなさんでかまどや七輪を使ったりして、調理してもらう時間です。
明日の朝9時くらいまではみなさんだけで、「循環の家」での暮らしを堪能していただきました。
星空がきれいなことでも有名な原村。
いったいどんな夜になったんでしょうね^^

朝から農作業!畝を作って、秋野菜の種まきと苗の植え付け

翌朝は、農具を持って畑に移動し、農作業をしました。
これからの季節、畑に植えるのは白菜、カリフラワー、パクチー、チンゲンサイなどの秋冬野菜。
それらの苗を植えるために、まずは畝を作ってもらいました。

長野県を代表するお漬物の材料、野沢菜の種まきもしました。
野沢菜は、種を少しずつ一筋に蒔いていく「筋蒔き」をします。
とっても小さな種を蒔くのは少し神経を使うようで、みなさん集中して土や種と向き合っていました。

作った畝に、野菜ごとに決まった間隔をあけて、一列に苗を植え付けます。

みなさん手袋は使わずに、手で穴を掘って苗を植えて、土をかけてポンポンと。
出来上がりは楽しみですね!

最後にたっぷり水をあげて、農作業終了です!
白い花が満開のソバ畑を横切り、近くの川までタンクに水を組みに行き、ジョウロで優しく水をあげます。
これから、ぐんぐん成長する野菜たち。
定期的に野菜の様子もレポートし、収穫時期にはお知らせをします。

薪を燃したアースオーブンで本格ピザ作り!

農作業の後は、アースオーブンを使ってお昼ごはんを作ります。
先日、みなさんに作っておいてもらったピザ生地に、収穫した野菜のトッピングを乗せて、本格ピザを作りました!

土で作ったアースオーブンの温度は、280度!
今回はクリスピーピザにしたので、1分ほどでピザが焼きあがってります。

いい焼き加減!
アトリエDEFに来ていたお客さまも一緒に、みんなで作っていただきました。

座談会。「デジタルデトックス」を終えて、感じたこと

食後は、ハンモックで横になってお昼寝したり、帰りの準備をしたり、デッキでぼーっとしたり・・・
各々自由に時間を過ごしてもらいました。
そして、イベントの最後のプログラム、座談会が始まりました。

この二日間、「デジタルデトックス」をしながら農的な暮らしを体験してもらい、どんなことを感じたか、いろいろお聞きしました。

Q.スマフォがなくて、どう感じましたか?

「普段、休日でもスマフォを持っているだけで、頭の片隅に仕事のことを考えてしまっていて、気づかない内に気を張り詰めていたのかもしれない。
でも、ここに来て、木の香りや野菜の感触、食事など積み重ねることで、スマフォを手放した時から徐々に仕事のことから切り離されて、結果、日数以上にとても充実した休みを過ごせた実感があります。」

「日常の答えをスマフォに求めていたことに気がついた。
ある環境の中で、試行錯誤して、自分で解決策を導いていくことを久しぶりにやった気がします。
ずっと脳をフル稼働して考えてたことで、ある意味すごく疲れた気もしますけどね 笑」

「スマフォはないならないで、全然大丈夫なんだってことを再認識しました。」

Q.農的な暮らしをしてみて、気づいたことはありますか?

「この生活を毎日するのは大変だけど、昔の人はこうして食事をいただいていたんだと思うと、もっと『生きる』っていうことが実感できていたんだなって思いました。寝ること、食べること、作ること、お風呂はいること、それだけで1日がいっぱいいっぱいだったんだって。」

「野菜は、普段スーパーで買うものってなっていたから、それが生命であるってことを忘れてしまっていたことに気づきました。実際に自分で収穫した野菜を食べた時に、この家のコンセプトでもある『循環』っていう言葉が、すごく体に染み渡った気がします。」

「天然のものに囲まれているこの環境や家の空間が良かったのか、ものすごく気持ちがリラックスできました。自分の家じゃないのに、とても落ち着いて過ごせました。」

Q.今回のイベントに参加して、いちばん印象に残ったことは何ですか?

「他人同士で向かい合ってみんなで食卓に囲み、『いただきます』をしたこと。命をいただいているんだなっていう実感が、その時すごくありました。今回は、野菜を育てるまではできなかったけど、自分で育てたものをいただきたいって思うようになりました。」

「家族ではない人と一緒に過ごすということが、すごく不思議な体験でした。でも、あまり違和感がなく過ごせたのは、いろいろな体験の積み重ねかと思います。協力して過ごせたことは大きかったです。」

Q.このイベントを通して、これからの暮らしに変化はありそうですか?

「実際にこういう場所で暮らすことは、仕事や家庭があって今は難しいと思います。でも、こうして週末だけてもこういう農的な暮らしができる場所があったり、そういう環境を誰かとシェアできるようになれば、もっと食や生活に対する意識は変わっていくかもしれないと感じています。」

「今、都会で暮らしている私にとっては、逆にこういう暮らしは新しく感じました。田舎の暮らしは、虫が入って来たり、隙間風が当たり前で寒かったりなどそういう想像をしていたけど、そうじゃなかった。同じような間取りや土間がある暮らしでも、ちゃんと家を作ることで、快適に過ごせるんだなって。だからこそ、こういう場所は、誰かと共有して過ごすことが大切で、今は友人と過ごすことを想像するだけでワクワクしますね!」

最後に、今感じていること、思ったことを手紙に書いてもらいました。
宛先は、自由です。
家に帰った自分や家族でも。

こうして、初めての「デジタルデトックス」が無事に終わりました!
参加してくださったみなさま、ありがとうございました。

今回ご参加いただいたみなさんから、思いがけない素敵な意見をたくさんいただけたので、第二回を必ず開催したいと思います!
どうぞ、楽しみにしていてくださいね。
新しい暮らしのあり方、ぜひ一緒に模索していきましょう^^

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