report

以前群馬県高崎市にあるオーガニック食品店BIOSKの桜井さんに取材でお話を伺った時に、それはどういう感覚なのだろう?と疑問に思った節がありました。

 

オーガニックを選ぶのではなく、選んだものがオーガニックだった。
日本もそんな国になればいいなと思います。
そうおっしゃった桜井さん。

私は普段買い物をする時、特にオーガニック専門店に行くときはオーガニックの食材を求めて伺うので手に取ったものがオーガニックであることが前提でした。

まだまだオーガニック食品や雑貨の普及が追い付いていないので、きっとオーガニックだろうなと手に取ったものが違うことはあっても、普通のものだと思って手に取ったらオーガニックだったなんてことは滅多にありません。
オーガニックコットン製品も同じです。
たまに手に取ったものがオーガニックコットンということもありますが、価格にてそれを納得します。

 モノと金額にOKサインが出たものが買い物かごの中に入っていく訳ですが、
オーガニックのモノはなかなか買い物かごにはありません。
レジに並んでいる人全員のかごに少なくとも一つは入っている、なんてことは日本では考えられません。

 しかしドイツではどうだったでしょうか?

今回訪れた北ドイツ、デンマーク、フィンランド、どこの国でも多くの人の買い物かごにオーガニック食品が入っていました。

買い物はchoiceの連続

モノを買うということはモノを選ぶことです。
オイルを買おうと思ってお店に行くと沢山の種類があり驚かされます。
その中から、自分に必要なものはどれなのかを選ぶのです。
オイルの中でも誰が作っているのか?
どんなものなのか。ひまわりの種から取っているのか、オリーブからか、えごまかな?
価格はどうだろうか?自分で決めている予算内に納まっているのか。それともとにかく安いものが欲しいのか。
価格が安くても、内容量が少なければかえって高くつくときもあります。
しかし必要な量なのか?悪くなる前に使いきれる量なのか。

一つのモノを買うだけでも、これだけ検討することがあるのです。
これらの質問に全て選ばれて初めて買い物かごに入ります。
日本ではこの段階で多くのオーガニック食品や製品は価格競争に負けてしまい、かごに入りそびれてしまいます。

 ではなぜ欧州ではみなさん気軽に手に取れているのでしょうか?

普通の食品と同じように並んでいる

オーガニックだから、こだわっている人しか手に取らない。
だからオーガニックの食品がたくさん並んでいるコーナーにしか陳列されていないなんてことも多いのではないでしょうか?

欧州ではそういった事はありませんでした。

大量生産品であっても、オーガニックであっても同じところに陳列されていました。
そうすると価格が少し違う程度であればオーガニックのモノを手に取る機会が増えます。
食べてみたらとても美味しかったのでまた購入する。
こうしたことも多くあると思います。

 特によくBIOの文字を目にしたのは乳製品です。
牛乳やヨーグルトはBIOの文字が多く価格もさほど変わらない印象でした。
またベビーリーフなどの葉物やお茶類のコーナーでも多く目にしました。

 乳製品や野菜は特に毎日摂取するものです。
そうしたものが、大量生産品と同じような感覚でオーガニックのモノを手に取れるのはとてもありがたいです。

 

毎週2日間開催されている街のマルシェ

私が数日滞在したハンブルグという町の郊外では、週2日マルシェが開催されているということでしたので、行ってみました。

 

 線路の高架下を使用して伸びるマルシェのテントは1駅分の距離がありました。
野菜はもちろんのこと、チーズ、お魚、ハム、お惣菜、パンやお菓子。
クリスマスを迎える季節ということもあり、もみの木の葉をしようした飾りや、木のおもちゃなども並んでいました。

平日ということもあってか、年配の方を中心に買い物カートを持ってきていました。
お野菜もチーズもお魚もグラム売りのお店が多く、自分が使う量を買っていました。
お魚はお願いするとその量に切ってくれていました。

 

 

 

 

お野菜を売っているお店は何店舗もありましたが、みなさん行きつけのお店を決めているようでした。
「いつものあれを同じだけください。」なんて頼んでいるのかな~なんて思ったり。
また買い物かごはもちろんのこと、小分けのビニール袋やパンを入れる紙袋まで持参しており、見習わなくてはならない部分だと思いました。

ドイツでは日本のお味噌汁のような存在のスープ。
そのスープには欠かせない野菜のセットをどのお店でも見かけました。
セロリやニンジンなどがセットになっているものです。
お味噌汁の出汁のように、スープもこうした野菜のうまみから作るのですね。

 マルシェへ行くとその国の台所事情がよくわかります。
価格は少し高いけれど、お店の人と直接話をして品定めをする。
少し前まではよくあった、日本の商店街の中にある八百屋さんを思い出しました。

 チェーン店のオーガニックスーパーマーケット

ドイツ滞在中はチェーン店にもなっているオーガニックスーパーマーケットをよく見かけました。
オーガニック商品の取り扱いだけでなく、パン屋さんやイートインスペースもあり、
少しお茶をするだけの人もいれば、買い物の帰りに腰を下ろす人、ランチに来る人など様々でした。

 日本にいると、オーガニックなものは裕福な人が買うイメージがありますが、
そうではなく誰もが手に取れる、選んだものがオーガニックだったという時代が早く来るといいなと思っています。

 

 

 

 

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