report

少し前のお話ですが・・・。
10月21日に、岐阜県飛騨市古川町にある
「株式会社飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ)」が主催するイベント、
『ヒダクマ秋祭り2017「森と町をつなぐ」』に行ってきました!
ヒダクマは、飛騨の資源である広葉樹の森の再生と飛騨の伝統技術である組木の継承を使命に、
最新のテクノロジーを活用し、クリエイティブな視点で飛騨の森に新しい価値を生み出そうと設立された
飛騨市と民間による官民共同事業体です。

古民家を改装したデジタルものづくりカフェ「FabCafe Hida」を拠点に活動しています。
ここは、ものづくりができる他、ゆっくりくつろげるカフェがあり、宿泊もできる。
デジタルなものづくりを通じて、ローカルなコミュニティが形成されるというユニークな場所です。

開催日の21日、22日は、台風接近の影響で強い雨風が予想され、
中止になってしまったプログラムもありましたが、両日共になんとかイベントは開催されました。
私が行った21日は、午前中はずっと曇り空で、昼過ぎからポツポツと雨が降ってきました。
でも、イベントのスタッフ・出展者の方は、そんな中でもイベントを盛り上げてくれていたので、
1日だけでしたが、とっても堪能することができました!
その様子を、レポートします^^f

まずは、飛騨古川の街中にあるFabCafe Hidaへ受付をすまし、
古川のどこか懐かしさが漂う街並みを少しブラリとした後に、
森ステージ(薪ストーブのBeeさん)へ移動。
お客さんもゆったりくつろいでいる人が多い、のんびりと緩やかな雰囲気の会場でした。

最初に森ステージの受付へ。
ここで、お昼ごはんが食べられるお店などを教えてもらいました。

受付の反対側にある、稲刈り後の田んぼでは、何やら作業が行われていました。
どうやら、この小屋はパン釜となって、この中で巨大なパンを焼き、建築物を作るというプログラム。
その名も、『パン築』。
この時は、前日までの雨で小屋内にたくさんの水が入ってしまったので、それを取り除いているところ。
完成は明日の朝を予定しているそうで、今日はパンを焼くまでやれたら・・・と伺いました。
天候が悪い中でも、なんとか形になることを願うばかりです。

また、受付の奥の方では、一里循環アートキャンプのプログラムが行われていました。
土に還る素材の草や枝を借り、妄想し、造形作品を造ることを目的とし、
面白いルールが「その場で取れたもので、その場に作る」ということ。
ここでは、森で自生してるクマザサを使って、茅葺アート『踊るクマザサ虫』を制作していました。
こんな面白いことを考えたのは、現役の若手茅葺き職人さん。
とってもシュールで素敵な完成予想図を見せてもらい、大興奮しました。

まだ骨組みを作っているところだったのですが、
中からはどんな感じがするのか気になり、試しに入らせてもらいました。

・・・いいです。
なんだかお籠り感があって、周囲から見られているのに嫌じゃないような、
まだ骨組だけだけど、すでに何かのバリアで守られているような気がしました。
ゆらゆら揺れますが、その揺れも心地よくて、完成がとっても楽しみ。
(今日中にできるだけ頑張る!と聞いたので、また後で見に行くことに。)

少し坂を登ったところでは、ピザ焼き体験ができるプログラムが。
子どもたちに大人気のブースで、
みんな自分で生地を広げ、各々好きなトッピングを乗せて、とても楽しんでいました。

わたしも昼食のピザを焼いてもらいました。
生地がおどろく程おいしく、そとはカリッと、中はモチモチ。
生地もソースもトッピングも、手作りの美味しさが溢れるピザでした!

反対側には、お団子屋さんがあり、醤油をつけて焼く高山名物のみだらし団子もありました。
その奥では、大きな声ではしゃぐ子どもの姿が・・・。

そこは、ヒノキなどのかんな屑がたくさん入った『森の宝物プール』。
子どもがプールに潜ったり、空に向かってばら撒いたり、動くたびに木の香がほのかにして、
見ている方も、とっても癒される宝物プールでした。

他には、フィンランド発のテントサウナを体験できるコーナーや、

ヒノキのかんな削り体験もできました。
削りたてのヒノキ、いい香りです。

さらに、その少し上にある丘にもお店が・・・。

見晴らしのいい丘の上には、森のバーと森の晩餐会の会場がありました。
バーでは、飛騨の森の薬草や広葉樹、果実を漬け込んだウォッカが並んでいました。
飛騨の山でたくさん取れる黒文字の枝を漬け込んだウォッカは、
香りも良くついつい飲み過ぎてしまうほどの美味しさ!

その横では晩餐会の準備が着々と進んでいました。
どれもこれも、彩も良くてとっても美味しそうで、見ているだけでお腹が空きました。

他にもいくつかブースがあり、どこも終始とても穏やかな雰囲気でした。
途中雨が降ってきましたが、山の麓にあるもう一つの森ステージへ。

そこには、山の木々で作った船がありました。
森にある杉の木を竜骨にし、太い枝を麻紐で結び骨組みを制作した『森に浮かぶ船』。
このワークショップも一里循環アートキャンプのプログラムです。
もう日暮れ間近で、今日の作業は終わっていましたが、
子どもも大人も職人さんも力を合わせて、みなで試行錯誤してできた船だとか。

今日はこの下で、みんなでキャンプをして、
翌日、木の葉や木の皮など、森にあるもので装飾と仕上げを行うそうです。

ここからは見下ろせる古川の街を見て、
この秋祭りのテーマである「森と町をつなぐ」を思い出しました。
『森に浮かぶ船』の制作には、森を無人島に見立て、
そこから海に見立てた棚田へ乗り出すという物語があるそうです。
この景色は、その壮大な冒険を感じさせてくれて、なんだか少しワクワクしました。

最後にもう一度、『踊るクマザサ虫』を見に。

作品の横に自生しているクマザサを刈っては結び、刈っては結びの地道な作業の途中でした。
雨もだんだん強くなってきている中、参加者の女の子たちは黙々と作業を進めていました。

近くにあった『パン築』も、予想外の水を抜く作業と天候、足場の悪さなど重なり、
スケジュールが押していたので帰り際、パンを焼くところまでは見れませんでしたが、
どのお店もプログラムも、人が森と自然との共存への挑戦を思わせるようなものばかりで、
とても興奮しました。

都会では実現できないアイデアが、本当の森で実現することができるフィールドが飛騨にはありました。
ヒダクマやイベントを通して集まったたくさんの人と、協力してものづくりをすることで生まれるコミュニティが、
また面白いアイデアをどんどん作り出していく、そんな楽しみを感じたイベントでした!

一里循環アートキャンプのプログラム『踊るクマザサ虫』と『森に浮かぶ船』は、
完成後も土に帰るその日まで、展示されるそうです。
気になる方は、ぜひ飛騨古川へ遊びに行ってみてください^^

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