report

秋晴れの土曜日。
群馬県桐生市黒保根町にて開催されたトリプターの稲刈りイベントに参加させていただきました。
桐生市の黒保根町までは東京から特急電車と在来線、最後は紅葉で有名な、わたらせ鉄道に乗り最寄りの駅まで行きます。
駅からはデマンドバスに乗り、両脇に田んぼや畑が広がった一本道を進むこと約20分。
ようやく田んぼに到着しました。

都内を中心に子供向けのイベント企画をしているトリプター。都内の公園で日本ミツバチのはちみつの採取や、生息する生物の観察会を開催しています。

代表の深須布美子さんは群馬県のご出身。
今回はご自身の故郷にある田んぼにて、近隣の方々にもご協力いただいた地域密着イベントでした。
都内に住む子供たち。
おうちでお母さんが作ったご飯を食べたり、学校で給食を食べたり。
でもこのお米、どこからやってくるのかな?どんなふうに成長しているのかな?
そんなことを自分の目で見て、肌で感じてもらいたい。そんな深須さんの想いで企画したイベントは、今では難しくなった「日本の良き田舎」を体験できる素晴らしいイベントでした。

私が参加させていただいたのは稲刈りですが、このイベントは田植えから収穫までを追い続けるイベントです。ご参加のご家族のほとんどが春の田植えのイベントに参加された方々。
自分たちが植えた稲。どうなっているのか知りたくて参加しました。
そうおっしゃるご家族はやはり都内から。
僕は朝5時に起きたのだよ~。僕は5時半だ~。と子供たちははしゃいでいました。

都内にいると、学校からの帰り道は電車に乗って、高層ビルの合間を歩いて帰る日々。
子供たちは早速田んぼのあぜ道を歩きながら、カエルやらバッタやらを捕まえて、持ってきた虫籠に押し入れていました。
子供たちにとってはどれを取っても新鮮で、ワクワクの連続。
もちろんお父さんとお母さんに取っても忘れていた子供の頃のワクワクがよみがえったようでした。
春に植えた稲は、地元の方々がお世話してくれておりたくさんの稲穂をつけていました。
今回植えたのは黒米。葉っぱは同じ緑だけれど、実の部分は黒色でした。

それを家族で交代しながら稲刈り。
そして束ねて、ハゼかけしておきます。

次回の収穫祭にてみんなでいただく予定です。

稲を植えて、刈って、食べる。
すごく小さかった稲はみんなが学校に行っている間に大きくなって、花が咲いて実がついた。それを刈り取って乾かして。
スーパーマーケットで見れば、ビニールの袋に入っている白いお米粒。
そこに至るまでにはこんな風に成長して、こんな風にするのだと体験することが勉強です。
いただきますという言葉がより身に染みるようになりました。

少し前までは、田植え、稲刈りといったら特大行事。
家族や親戚総動員で行った仕事です。
今ではそんなことも少なくなりましたが、自分たちがいつも食べているものがどんな風に成長して、手を加えられて、そして食卓へ並ぶのか。
自分の目で見ることは子供たちに取って大切な勉強であり体験です。

親戚でもないのに、東京から会いに行く方も、桐生で待っている方も、楽しみにしている様子がとても素敵でした。過疎化が進んで、祖父母の家も東京ですという人も多くなってくる昨今。地方にいる方々が歓迎してくださるのが本当にありがたく感じます。

見たことも、聞いたことも、来たこともない場所でも、心をほっとさせる故郷のような場所があることは人にとって大切なことだと改めて感じました。

また来るね~と言って手を振って帰っていった子供たち。

こうした関係が長く続くといいなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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