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欧米ではよく見かけるマルシェ。
テントの軒を連ねて、新鮮なお野菜や手作りのモノを並べています。
日本のスーパーで見かけるような、袋詰めの野菜ではなく一つ一つの野菜が丁寧に並べられ
どれも輝いてみえます。

そんなマルシェ。日本でもだんだん浸透してきました。
日本でのオーガニックマルシェの先駆けとなったのが青山の国連大学広場で開催している青山ファーマーズマーケットです。

ギラギラした陽射しが強い夏の日も、雪が降るほど寒い日も、毎週末開催しているオーガニックマルシェ。
その中に、1年間ほぼ毎週出店している方々がいらっしゃいます。

アロハファームさんです。

女性3人で甘酒を中心に女性の美と健康に寄り添った商品を取り扱っています。
リピーターさんが多く集まるアロハファームさん。

いつもありがとうございます。
その後体調はいかがですか?
そう問いかけながら接客しているのは社長の長久保恵理さんです。

お客様一人一人の体調に気遣い、親身になっての接客はここ東京では珍しくなりました。
少し前までは八百屋さんに行っても、お肉屋さんに行っても挨拶から始まった買い物。
今日は何が届いてる??
それじゃあ夕食はこれを使ってあれを作ろうかな~。
そんな会話も最近はめっきり聞かなくなりました。

そんななか、長久保さんはリピーターさんはもちろんのこと、新しく声をかけてくださったお客様にも親身に話しかけます。
最近よく寝られないんです・・・
あまり食欲がなくて・・・
そんな声も多いと長久保さんは言います。

最初はモノを売るのではなく、日本の伝統や昔ながらの良いところを残していきたくて始めたとのこと。
はやり、すたりではなく、それを定着させたいと思ったんです。
味噌や甘酒を取り扱っているのもそういった想いからです。


質素で、シンプルに生きる生き方が素敵だと思っています。
それは生活もそうですが、食もそうです。
素材をそのままシンプルに。食材が美味しければシンプルが一番だということをわかってもらいたい。
その思いが、長久保さんを畑仕事に導きました。

週末に2日青山ファーマーズにいる以外は、栃木県の那須高原で野菜を育てながら、自給自足に近い生活をしているそうです。
外のかまどでご飯を炊いて、あとは畑の野菜を少し調理して食べるのが、最高においしい。
これ以上の最高はないですよ。
そうおっしゃる長久保さん。

最近都心部で働いている女の子たちは鬱の人が7割もいるそうですよ。
毎日薬を飲むのが当たりまえ。
そんな社会になってしまって本当に悲しくって。
少しでも変わればと思っています。

たくさん働いて、たくさんのお金を稼いで、出世が一番。
そう思っている人も少なくない世の中ですが、お金が一番じゃない。そう感じてもらいたいです。

女性だからこそ、そう強く思っている長久保さん。
今、那須のご自宅近くに加工場を建設中です。

ここでは売り切れない、食べきれない野菜を加工しようと思っています。
都心部で頑張っている女子たちは、忙しくってろくにご飯も食べません。
それではダメなんです。
ちゃんと栄養のあるものを食べて、元気にならないと。
ダイエットやファスティング。
最近よく聞くのですが、どれも限度があります。ずっと食べないのは体によくないということをわかっていないのです。

そんな女性に食べてもらいたい。
加工場ではそんな忙しい女性が簡単に栄養を取れるようにと、加工品を製造する予定とのこと。
その商品をきっかけに一人でも健康な食事を心がける人が増えるように。
コンビニ食やお菓子でしのぐような生活を止め、自分自身の身体と向き合う人が増えるように。

この加工場では地域の人に手伝ってもらう予定とのこと。
地域に仕事を増やすことはもちろんですが、そこで働く地域のおばちゃんから若者へ技をつなぐことも担ってほしいと思っているそう。

今は核家族が増え、お母さんやおばあちゃんと同じ台所に立つことが少なくなりました。
生活の中から学ぶ料理の味、生活の知恵など。
おばあちゃんの技をつなぐ機会が失われつつあります。
そんな場所になればいいなと長久保さん。

青山ファーマーズマーケットでの日々と那須高原での日々。
全く違うそれぞれの場所を、それぞれの楽しみ方で楽しみ、想いをつなぐ3人。
女性であるからこそ、変えていきたい今の社会がありました。

次回は那須高原にお邪魔させていただきます。

 

 

 

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