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以前ご紹介したカミツレの里八寿恵荘。

その隣に、もう一つ建物がありました。 こちらでは畑で収穫したカミツレのエキスを抽出しているということで、中を見せていただきました。

元々印刷会社さんを営んでいたという代表の北條さんご家族。 ご一家はなぜカミツレの製品の製造・販売を始めたのでしょうか?

北條さん
カミツレ研究所のある長野県北安曇郡池田町は花とハーブの里とネーミングされ、ハーブが特産になっています。
気候も穏やかで、標高も少し高いということもありハーブがよく育つのです。
町にはハーブセンターもあり、この小さな池田町の特産品となっています。

実は私の父が喉頭がんにかかりました。
父はいい先生に巡り合い、漢方でがんを完治することができました。
その先生は漢方の先生であるとともに薬学博士でもあり、特にカモミールの研究をしている方でした。
父はその先生の研究とハーブの女王と言われるカモミールで何か皆様のお役に立つことがしたいと考え、自分の故郷のこの地で栽培することにしたのです。
その想いが今もカミツレを栽培している理由です。

私たちが伺った季節はちょうどカミツレの植え付けの季節に近く、植える予定の場所を耕運機で耕していました。
よく見てみると、そこかしこにカミツレの芽がでています。 雑草に混ざっていますが、小さく先のとがった葉先を持っているのがカミツレの芽です。

松澤さん
畑は傾斜地が多く、耕すのも一苦労です。
耕運機で入れるところは耕運機で耕しますが、入っていけないところは人の手で耕します。

植え付けは全て人の手で行います。
地域の人に手伝ってもらいながらの作業となります。
急勾配の場所もありますが、地域の人は何年もお願いしているプロ。
難なくきれいに植え付けていく様は圧巻です。

こんなお話を交えて畑を案内してくれたのは、支配人の松澤さんです。ご本人も以前は畑の担当をしていたこともあるということで、とっても詳しく案内してくださいました。

さて研究所の中に入ると、ちょうど作業が行われているところでした。
カミツレは花も、葉も、茎も全部使うそうです。乾燥させて小さくします。
ちょうど写真にあるような状態で保管されるカミツレは米袋に入れて保管されていました。

カミツレの成分の中には熱をかけると壊れてしまうものもあるため、熱をかけずに抽出し約30日かけて熟成したエキスを元に製品を作っているそうです。

機械を傾けていただき、下の方に溜まっているエキスが見えました。
濃い茶色の液体でした。

カミツレの花は白。ピローケースを染めたものはきれいな黄色。
熟成させた液体が濃い茶色をしているなんて想像もつきませんでした。

こちらの敷地内で育つカミツレはもちろんの事、国内の契約農家さんにも栽培をお願いしているとのことでした。

熟成中のタンクの上にはどこで誰が育てたカミツレがどれくらい入っているのか、ちゃんと記録されており、シリアルナンバーからすべてトレーサビリティーがわかるような仕組みになっていました。
場所に寄って、土の土壌、気候など様々。
製品に寄ってばらつきがあるといけないので、バランスが整うようにブレンドしているとのことでした。

ボトルに詰めるのも、ラベルを貼るのもすべて人の手作業で行っていました。

都内のオーガニックストアなどでも目にする商品です。
生産量も結構あり、私でも手にする、そして使用するものが、ほとんどの工程が手作業で行われているということに驚きました。
栽培から製造、そして製品にするまでの手間暇かけている様がとても印象的でした。

研究所の案内の最後に松澤さんが見せてくれたのがこちらです。

松澤さん
先ほど見た熟成中の缶の中身です。
熟成が進むとこのように液体が出てきます。
これがカミツレのエキスです。
このエキスをボトルに詰めただけのものが、入浴剤で、入浴剤が弊社の商品の第一号です。
このエキスを乳液と混ぜたり、シャンプーと混ぜたりすることによって他の製品が出来上がります。
このエキスがすべての始まりで基本と言えるものになります。

こちらが入浴剤です。
パッケージは年代に寄って変わっているようですが、ロゴはずっと変わっていないということでした。

普段は東京で働いている北條さん。
新幹線と特急電車を乗り継ぎ帰ってくる先は、八寿恵おばあちゃんとお父様が大切にしてきた土地。
これから植え付けが始まるカミツレの畑は、池田町の厳しい冬を乗り越えて春にはきれいな花を咲かせることでしょう。
カミツレを通して、たくさんの方が安らかに、気持ちよく過ごしていただけるように。
そんな想いがこもったこの場所は、北條さんをはじめ笑顔で迎えてくれるスタッフがおり、疲れた人々を温かく迎えてくれます。

 

 

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