report

先日用事があり関西方面へ出かけました。
移動するのが好きなので、思い立ったら吉日。すぐに飛行機のチケットを予約するタイプです。
せっかく来たのだから、少し見て回ってみよう。
そういう性格なのです。

そんなこんなで今回は、少しマニアックではありますが「竹中大工道具館」へ行ってみました。
新幹線が止まる新神戸駅のすぐ近くにありました。

関西方面は全然詳しくなく、友人が口にする「三宮」がどうも大都市らしい。。。
地図を見ると三宮方面に進めばよさそうだ。
ということで梅田より小旅行。

が、しかし目的地は三宮より少し山側の新神戸駅の近くでした。
関東なら勝手がわかっているので困らないのですが、やはり知らない土地。
到着まで一苦労。そしてこの日は猛暑。大汗で到着です。

ここは名前にも入っている通り、竹中工務店さんが建設、運営しています。
大工さんの仕事や道具、木の種類や技術の紹介をしてくれるところです。

この日は夏休みということもあり、子供連れ、子供ツアー、もちろん大人もおり、にぎわっていました。

外観を取り忘れてしまったのが心残りですが、大きな木製の扉を2つくぐると正面にはこの迫力の一枚板。
目隠しに使われているのですが、きれいな木目と大きさにうっとりです。

先日まで、関西地方の家具作家さんがこの場所のためにデザインした椅子のイベントがあったようで、その椅子が並んでいました。

椅子と言うのはダイニングとセットで向き合って・・・
とイメージしがちですが、こうして庭を向いて並んで座るのもいいな・・・
並んで座っても不思議と会話が生まれるのは、この空間がいいからでしょうか。

壁には土壁。
昔の家で使われていた技法も紹介してくれています。
ただこちらは表面に波うっているような模様がついています。

通常の技法や技術の紹介はもちろんのこと、特別な技法と職人技も披露してくれている場所でした。

手で触れてみたり、前から見たり、横から見たり。
職人さんはどうやって塗るのかな?
中はどうなっているのかな?

子供だけでなく、大人も見入ってしまいます。

こちらは型のようなもののようです。
柱上は柱の上の型。
柱下は柱の下の型。
それにそって柱の形を削っていくそうです。
これを見ると柱は上の径が小さい円柱型のようですね。
組みあがったものを見ると、どうしてもその大きさや迫力に圧倒されてしまい、こうした細部まで興味が
持てるのも楽しかったです。

先日取材した上田市の金井棟梁のところでもお話を聞きました。

実際はこのような組を作っている・・というのは理解していましたが、こちらではこんな道具を使うのです。というところまでわかるように展示されていました。
のみと呼ばれている道具も先端が細いものから太いものまで。
丸くなる部分に使用するものから角ばっている部分に使用するものまで。
のこぎりだけでも10種類前後ありました。

もちろん、かんなも全部違う種類のようです。

ぐっとくる言葉です。
今はここまで考えて行う手仕事は少なくなってきているのが残念です。
昔の人が持っていた道理の通った考えが、文明の発達と共に遠ざかり今では珍しいものとなってしまいました。

本来のあるべき姿。
それがいつの間にか失われ、木曽と吉野と四国の木が混ざり合い、そこに輸入した外材が入ってきています。
木の事を考えればすぐにわかること。
育った環境がまるで違う部材が隣にくると、お互いにぶつかり合います。
木の癖も同様。見極めるということが、その部材がその場所で力を発揮できることに繋がります。

これらの言葉を極め、はじめて職人となる。
そのように書いてありました。

こちらは建具です。

気の遠くなるような細かい手仕事。
一つ一つ職人技で組まれ、一つの建具となります。

このように職人技のつまった竹中大工道具館。

入り口では「どこでも写真を撮って大丈夫です。飲み物は休憩がてら、作家さんの椅子のあるところでお願いします。」と案内されました。

通常は写真はだめ。館内では飲食だめ。というところが多いですが、出来るだけ長い時間を楽しんで過ごし、写真を撮り素敵なところは後日でもみられるように、ということでしょうか。

道具を実際に触ってみたり、カンナくずの匂いや肌触りを確かめたり。
実寸大の大きさに圧倒されたり、木工教室が行われていたり。

子供はもちろんのこと、大人でも楽しめる竹中大工道具館。

関西方面へお出かけの方にはオススメです。

もちろん、豚まん、たこ焼きも忘れずに~

 

 

 

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