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少し前にお伝えした竹林での活動をしている、トチギ環境未来基地のみなさん。
その日のスケジュールによりますが、基本的に寝起きを共にしていました。
その舞台となるのは明在庵と呼ばれる場所です。

住宅地の中、道路から少し奥まったところに1件の素敵なおうちがありました。
庭には果樹があったり、小さな畑があったり。
もちろん天気のいい日には洗濯物を干せるようにロープが張られていました。

ゆっくり昼寝のできそうなデッキ、大人数が入れそうな大きな玄関。
中に入ると団欒の時間を楽しめそうな広い和室があり、みなさん想い想いの時間を過ごしているようでした。

今回もトチギ環境未来基地の職員、大木本さんにお話を伺いました。

大木本さん
ここは元々町の心療内科でした。
オフィスとして使用している場所が元の診察室。

診療室は比較的広めに作られていました。
きっと元はレントゲン室だったかな?
ここは処置室だったかな?
そんな面影のしっかり残った部屋でした。
先生の座っていた場所に大木本さんのデスクがあります。
窓からちょうどお庭が見えるのがとても素敵でした。

団欒できる場として使用している場所は元待合室。
畳の敷かれた和室は座って本を読むにも、ごろんとお昼寝するにも絶好の場所です。
先ほど入ってくるときに目にしたデッキともつながった空間です。
いつもはこちらで食事をとったり、ミーティングをしたりしているそうです。

個室は昔の病棟。トイレやお風呂は共用です。
奥には先生のご家族が住んでいた住宅がくっついているそうですが、今は区切って他の方が使っているそうです。
お部屋の大きさも様々。
一人の部屋もあれば、3人で過ごせるほど大きな部屋もありました。

作業や出かけることが多いので個室で過ごす時間はそれほど長くなさそうでした。

キッチンももちろんあります。
こちらは以前入院されている方が少し使用する程度のキッチンでしたが、みんなの食事を順番で作れるようにと少し充実させた造りになっていました。
通常は2人くらいでその日の食事をつくるそうです。
献立はお料理担当の人が、その時にある食材で作るということで、この日は焼きそばを作ってくれました。

大木本さん
持ち主の方が設計者さんにお願いして建てた建物で、とても素敵な建物です。

最初は周りから町に来る人達が泊まれるようなゲストハウスにしたらどうかと言われていたそうですが、オーナーさんは私たちと知り合い私たちのような活動をしている人たちの集いの場所にしてほしいとのことで、快く貸してくれたのです。
ちょうど活動自体を始めようとしていたところだったので本当にいいタイミングで出会いました。
ここだと宿泊もできるし、みんなでご飯を食べることもできます。

基本的には自炊。当番制で調理します。
その他の掃除や買い出しも当番制です。

大木本さんが明在庵の中をさっと案内してくれました。

細かいところまで気を使って設計された建物。
使っている素材も無垢の床いただったりと誰もが安心して気持ちよく過ごせる空間でした。
病院としてではないですが、今もこうしてたくさんの人々に出入りしてもらえているということはきっと建物もオーナーさんも、そして設計者さんも喜んでいることでしょう。

海外からの4人のインターンが来ていましたが、その中の一人ロバートくんに話を聞きました。

ロバートくん
9月15日から日本に来ているのでまだ2週間ほどの滞在です。
ここはとてもいい所で、本やネットで見る日本は東京や大阪など大都市がほとんどですが
こうして日本の田舎を体験出来てとても嬉しいです。

僕はフィリピンで同じようなプロジェクト団体で働いています。
森の管理であったり、自然環境の保護だったりと、国は違えど同じようなプロジェクトが必要とされています。
ここでいろいろな人に出会い、いろいろな活動を通して自国でも生かしていけたらと思っています。

海を渡り、他の文化を持った国でいろいろな国の人と意見を交換し合い、作業する。
そして自分の国に帰り、このボランティアを通して感じたことを生かし次につなげるということはとてもよいことだと思います。

留学する学生も年々多くなってきていますが、学ぶということは単に勉強するということだけではなく、自分のフィールドに戻ったときに生かせる何かを身に着けるということがとても大きいと感じました。

これから先、今回訪れたような竹林や森がどんどん増えていきます。
特に日本は国土の約7割が森林です。
どのようなことがきっかけになるかわかりませんが、たくさんの人が関心を持ち、少しでもよくしていきたいと思うことが大切だと思います。
こうしたことに興味を持ち、自分の手を動かせる人が増えてくるといいなと改めて感じました。

 

 

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