contents

ここは陶器の町として知られている益子町から車で30分の場所。
小さな滝もあり、豊かな自然が残っているこの場所は観光客も訪れるほどの場所となっています。
見渡す限り里山のこの場所は茂木町竹原という地区。

その昔、この近くに流れるなか川にはたくさんの漁師さんがおり、その漁師さんが船で使う竹を栽培していました。
地区の名の通り竹の原っぱであったこの場所は、今も変わらずたくさんの竹が生えています。

竹の需要が少なくなったことに加え、お年寄りが増えてしまい、どうにもならなくなった竹林を整備しているのがトチギ環境未来基地のみなさんです。

職員は数名。ほとんどがボランティアの方です。
短期ボランティアは約1週間。私がお邪魔した日は大学生の方が多く来ていました。
長期ボランティアは約3か月。海外からのインターンも4名来ていました。

出身の国はそれぞれ。
フィリピンだったり、台湾だったり。
この長期ボランティアで来る海外インターンのほとんどはアジア圏の方だそうです。
まだあまり環境保全活動が広まっていないアジアに、この活動を広めたいという理由からです。

お話を伺ったのはこちらの職員の大木本さん。
ご本人も大学在学中にボランティア活動をしたり、海外にボランティアに行ったりした経験をお持ちです。

大木本さんにこちらに携わることになったきっかけをお話いただきました。

大木本さん
ボランティアの力で地域の人が笑顔になれる活動に興味を持ちました。
少し前にこの活動を始めていた代表の塚本に会い、この仕事がしたいと強く思いました。

こちらに携わってすぐのころにこの団体のConservation Corps(コンサベーション コア)という環境保全や自然環境の再生に取り組むアメリカの団体のところに1年半ほど研修に行っていたこともあります。
NPOの運営の勉強や世界へのネットワークを広げるための研修でした。

今こちらに来てくれている長期ボランティアもその時に知り合った人との関係で来てもらっています。 今後もそういった繋がりを大切にしていきたいと思っています。

 

とはいえ、日本人だけではなく、英語での説明を必要とする多国籍のメンバーをまとめるのは大変そうです。

彼女が先頭に立ち、一日の作業が始まります。
今回作業に行った場所は竹林の整備でしたが、日に寄っては幼稚園児が遊ぶ森の整備など
現場はたくさんあります。
今は8カ所の現場で活動中です。

こちらの竹林での作業は長期ボランティアにとっては今日で2日目。
団体としては約5年ほど前から活動しています。
以前はプロの方が整備されていたというこちらの竹林。

今回整備するのは約半年ぶりだそうです。
下草も伸びてしまっているし、竹の量も多くなってしまっているので少し切らないといけません。
竹は大体3年物にもなると、立派な大人の竹だそうです。
どこで見分けるのかというと、節の色です。

白い節の竹はまだ若い竹。
若い竹は水分をたくさん吸い込んでいるので腐りにくく使用するのは難しいそうです。

かわって黒い節の竹は大人の竹。
水分も抜け、利用することができるようになります。

今回はボランティアスタッフがバームクーヘンを焼いてみたいということで、大人の竹を数本持ち帰りました。

大木本さん
私たちは整備するというところまでで終わってしまっているのですが、できることならこの竹を何かに利用できるといいと思っています。
製品に加工するでもいいですし、誰かが買ってくれるでもいいと思うのですが、今の状態だとこの竹林の土留めとしてしか使用していません。
せっかくなので何か活用方法を探していきたいです。

 

大木本さんはこの活動から少しでもお金を生み出し、また活動経費として循環できればいいと考えています。

またどうしたらこの森や竹林を継続的に管理できるのかも大きな課題だとおっしゃいます。
森でイベントをしたり、企業のCRS活動の一環としていろいろな人に入ってきてもらうことが継続していくということに繋がるのではないかと思い、パートナー団体などと話し合っているとのことでした。

この場所はボランティア活動の場であるため、期限が過ぎるとみんな自分の場所へ戻ります。それでも来てくれた人々のその後に繋がるような仕組みを心がけているそうです。
例えば林業に就きたい人は知り合いの林業をやっている人に紹介したり、移住したいなんて人もサポートしたりします。
地域に若い力で活躍できる人を育てるということも私たちの役目だと思っています、と大木本さんは教えてくれました。

みなさん基本的には集団生活をしています。
当番制にして、ご飯を作ったり買い出しに行ったり。
お休みがあると益子の町を散策したりもしているそうですが、それも希望者を募ってみんなで出かけます。
こうした集団生活を通して、森の手入れだけでなくみんなで共に活動できる場となっているのも素晴らしい点だと思います。

その舞台となるのは明在庵と呼ばれる場所です。
明在庵の様子は次回のへと続きます。

 

 

 

 

 

 

 

Share On